社長山田の経営ばなし 第一回 〜これまでの経歴を振り返る〜

今回から5回にわたり、(株)サポートの代表取締役 山田 武雄に、これまでの事業についてお話を聞きました。

1990年に不動産会社の「株式会社セイブ」、1999年にはハウスメーカーの「株式会社スマイルハウス」を設立してきた山田社長。2社をM&Aで売却後に、「株式会社サポート」を立ち上げました。(株)サポートでは土地の分譲販売や、リフォーム済み中古住宅を扱っています。

第1回の今回は、これまでの経歴を振り返ります。

2021年に長野県松本市で立ち上げた「株式会社サポート」は、土地の分譲販売や、中古住宅の販売など、不動産業務をおこなっています。取り扱うのは松本市、塩尻市、安曇野市、山形村の不動産です。また、中古住宅は住みやすくリフォームした「フレッシュアップ住宅」として販売しています。

最初はゼネコン、そのあと設計事務所や建設会社で働いていました。その頃は住宅ではなく、大きな建物を多く扱っていました。

ゼネコンは大規模な工事を請け負い、設計から施工、管理までを統括する役割を持っていて、設計事務所は建築物の設計や工事監理が主な業務で、デザイン性を追求する傾向があります。建設会社はゼネコンと比べると、主に施工管理に特化しています。

学生時代は建設について学び、その流れのまま建設の仕事に就きました。ただ、若い頃というのは本当に、自分に何が向いているのか分からないものです。やがて働く中で、「建築そのものよりも、土地の分譲や中古住宅といった不動産の分野のほうが自分に合っているのではないか」と感じるようになりました。

そして40歳のとき、思い切って不動産会社「セイブ」を立ち上げました。それは、自分の適性を信じ、新たな道を切り開く大きな挑戦でもありました。

ええ、全然違いますよ。私の感覚では、美術と算数くらいの差がありますね。建築の世界は美術に近く、センスや感性が求められる。一方、不動産は数字を扱い、効率を追求する算数的な世界です。

私はどちらかといえば数字に強いほうでしたから、自然と不動産に引かれていったのだと思います。買って売って、その計算を重ねていくことが性に合っていたんですね。土地の分譲販売や中古住宅の販売といった不動産業務は、自分にとても向いていると感じました。

それまでは土地だけを扱っていましたが、ある時ふと考えたんです。お客さまが「土地を買う」という行為の先には、どんな思いがあるのだろう、と。

そこには必ず「家を建てたい」「家族と暮らす場所をつくりたい」という願いがある。土地は目的ではなく、その先にある生活や未来を形にするための手段なのだと気づきました。

であれば、土地だけでなく、家そのものを手掛けるべきではないか。

そんな思いから、ハウスメーカー「スマイルハウス」を設立したのです。

私はこれまでに二つの会社を上場企業へM&Aで売却しました。66歳のときのことです。売却を決めた理由は、ひとつの大きな目標を達成できたと感じたからでした。

会社を大きくしたいという欲は、もともとそれほど強くはありませんでした。けれども、「日本で一番内容の良い会社をつくりたい」という思いだけは、ずっと胸の中にありました。事業規模の大小ではなく、質の高さを追い求めたい。その目標を形にできたと思えたのです。

当時、松本市内の施工棟数は10年連続No.1(JSK調べ)となり、ホームビルダー経営力ランキング(2012年、株式会社住宅産業研究所発表)では、全国第1位となりました。会社設立時より無借金経営です。

効率を追求したことでしょうか。次からのブログで、少し話してみようと思います。

第二話に続く